嘘でしょって現実が一気にのしかかってきた。
嘘なら良かったし夢ならすぐにさめてほしい。
だが世界は今日も嘘のようで悪夢のように時計の針を進めている。
時間がない。
なさすぎる。
嘘でしょって現実が一気にのしかかってきた。
周りに言うのもはばかられるようなややこしすぎる事情、しかしどこかで爆発してしまいそうなこの気持ち。
夜中4時、気づいたらはてなブログに登録していた。
現実逃避という4文字が浮かぶ。
逃げれるものなら逃げたい。
が、既に期限が決まっている。
こんなにややこしすぎる事情が一気にのしかかってくることは人生にそうそうないと思いたい。
最初はこの日常をはきだめのように綴ろうと思っていたけれど、寝て起きたら生産性のなさすぎる思考に冷静になった。睡眠って大事。
アカウントを消そうとして、まてよ、これを全部解決した頃には私はつよつよになっているのでは!
と、足掻いている様を自分のために残していこうと考えた。
数年後にこんなこともあったなと笑えるといい。
そしてどこかで私と似たような状況の誰かがいたら、えらい!がんばってるよー!共に乗り越えよう!!と無条件に褒めたい。
だって誰も褒めてくれないもん自分でモチベあげてくしかないじゃん。
私は30代後半のフリーランスで、旦那は40代介護職、子なし、子供を産まなければ何とか生きていけるかな程度の経済状況、貯金も微々たる程度、悩みは持病とダイエットとセックスレスといかに売上をあげて老後に餓死しない程度の生活を送れるようになるかだった。
そう、最近までは。
今年に入って間もなく、年末に病院に行ったら末期がんが発覚し余命宣告されたばかりの義父が亡くなった。
コロナ禍でタイミングをみながら義父に会いに行くためにとったチケットは、葬儀で日程が前倒しになった。
医師よ、何の準備もできないから余命宣告は短めに宣告してくれ。
余命3ヶ月どころか1ヶ月だった。
故人を偲ぶ時間、どこにあるんだ。
葬儀の着席している数時間の間だけ?
というくらいに現実は悲しむ間を与えない。
亡くなってすぐに葬儀のお金や即日支払う僧侶へのお金の捻出という現実、あぁまじで無情。
旦那が喪主と唯一の相続人になった。
同時に、義父のことをほぼ何も知らない状況だった。
ここから地獄が始まる。
義父は独身だったので、田舎あるあるの家系を守るために、旦那は大人になってから実母の弟の養子になっていた。
相続するものを洗い出していくと色んなものが出てくる出てくる。
何人もの人に貸したお金!元彼女への長年の送金と住居の世話とお金の譲渡!会社をたたむための司法書士と税理士!謎の高額健康サプリ!包まれて隠されてた短刀!半壊の倒壊寸前の家!活用されていない土地!お金わけてと湧いて出てきた絶縁した親戚!魑魅魍魎のように湧いて出てくる人間たち!
現実逃避してぽかーんとする旦那。
悪い人ではないけれど、事をややこしくさせがちなアクの強い義母。
私の母に「あんたは嫁なんだから口出ししちゃダメ、親族の前では猫かぶってて。」と長年言われ続けていたが、この状況で旦那も義母も疲弊しているところを魑魅魍魎たちの意味不明な話術でカモにされかけている様子を見ていると、私の素を出さざるを得なかった。
この時、強くてキツいが問題解決処理の早い嫁が爆誕。
母の心配とは裏腹に、義母からの絶大的な信頼を得た。
とにかく亡くなって2週間は地獄絵図のようだった。
地獄絵図はまだまだ続き、日が経っても不意打ちでWhat's New!って感じであらたな事象が増えていく。
嘘でしょ。
という言葉も徐々に出なくなってくる程に。
現実よりドラマや小説のほうがマシ、可愛いものだ、と思える程に。
相続対策を一切することなく亡くなった義父、見たことない額の相続税額が見込まれる。
うわぁ...この相続税で...いい家が建つね。
相続税は、死後10ヶ月以内に現金一括。
現金一括!!!!
もちろん手元にそんな現金はない。
日本は、生むにもお金、死んだら家族に罰金がくるんだね。
今までは老後すら不安な経済状況で、相続ってマイナスがでた場合は放棄したらいいじゃんってくらいには他人事だったんだけど、
「お金は使い切って死ぬのが一番」と著名人が言ってた言葉、
こういうことか!と納得した。
資産を残すなら相続税に引っかからない程度に残すのがベスト。
現金のない相続人は土地を売るか売れなければ借金するしかない。
かといって相続破棄もできないという「先祖の土地を残す」田舎の事情も存在する。
更に厄介なことに、残さなければいけない「先祖の土地」つまり義父の住んでいた家は、なんと半壊だった。
生前義父の家に行ってた頃、頑なに座敷にしか通さなかった理由はこれかー!!!
家の修繕にあてる費用をお金に困っている他人に貸し、自分の家は個人年金が入ってからのリフォームを夢見ていたのだろう。
性善説が行き過ぎるくらい、人に純粋な義父で大好きだった。
だがしかし、他人に良くして自分の家が半壊なのはお人好しにも程がある。
空き家になる義父の家は、よく生活できていたなと感心するくらいの壊れ方で、台風か地震がくればすぐに倒壊する危険性がある。
そして空き家になると家屋の倒壊の際に保険が一切効かなくなる。
近隣住居や通行人に倒壊物が当たったら、それこそ損害賠償地獄まで追加される。
放置するわけにもいかず、相続税が支払えるかどうかもわからないうちに、たちまち半壊部分の解体作業を行うことになり数百万が飛ぶことが確定した。
そして相続税で浮き彫りになった予期してなかった現実、
将来的に私の親の相続事情もあり、子供を作らなければ将来相続税で経済的に死を迎える。
資産を残したほうが経済的に死を迎えるってやばいですね。
子供を作るにあたって大問題なのが数年のセックスレス、私が高齢出産枠で持病持ちの肥満体であることと、何度セックスレスを解消しようとしても
「ひとりでやるほうが楽、でもいつか子供は欲しい」
とセックスを拒み続けてきた旦那をいかにヤル気にさせるかである。
いかに誘っても何年も無駄打ちだったので、現実を淡々と話し提案をした。
・マッチングアプリ等を使って公認で他人の子供をつくる
・養子をもらう
・妊活しながら不妊治療をする
・セックスせずに人工授精・体外受精の最短コース
・財産分与して離婚
各資料や額面を出し淡々と説明すると、旦那は妊活しながら不妊治療をする選択肢を選んだ。
それでセックスできるんかい!!!
と思ったら数年のセックスレスは何だったのか、セックスできた。
ここで驚愕したのが、旦那は避妊しなければすぐに妊娠できると思っていたこと。
高齢出産の確率と不妊治療の額面、タイミングなどの資料を見せると絶句していた。
40代でこれなのか、と、日本の性教育の不十分さにも直面した。
旦那がセックスをしんどいからと拒み、オナニーを何年も楽しんでいる間に不妊治療の額面とリスクが増え、妊娠の確率が下がっていった訳だよ。
とはいえ妊活とセックスレス解消の第一歩、
産める期限はあと数年。
妊娠しやすくなるように、まず持病の改善、摂食障害を繰り返しどんどん太って痩せにくい体質になってしまったわがままボディの健康的な減量、子供産む気がないからいいやとサボっていた婦人科検診、などなどほったらかしだった自分自身の体の重要タスクが追加される。
全てにおいてお金と時間がかかる。
全てにおいてお金がかかる事態になっている今、私はエンタメ系も含むフリーランスなので絶賛コロナ禍で9割臨時休業中だ。
休業対象ではないにしろ、間接的に影響がモロに出る業種で、先月と今月はすずめの涙ほどの収入しかなくて大赤字。
ありがたいことに営業再開を心待ちにしてくれてる顧客様たちもいるが、一年以上続く終わりのないコロナ禍で赤字がかさみ続けると、事業の継続を困難にさせる。
もし妊娠して出産したら、今まで築き上げてきた仕事や生活はどうなるのかという葛藤や、いつ誰が新型コロナにかかって重症化して亡くなるかもしれないという目に見えない恐怖ともしもの際にのしかかる相続問題も脳内で同時進行されている。
あの頃とは状況が変わった。
相続の期限、仕事、産む期限、かさむ見たこともない額の大金、
なんだろうこの度重なる受難とは。
嘘なら良かったし夢ならすぐにさめてほしい。
だが世界は今日も嘘のようで悪夢のように時計の針を進めている。
この数ヶ月で一気に顔が老け込み、白髪が一気に出てきた。
全てにおいて時間がない。